ぞろぞろと

2000年11月7日
最近、ちょっと早起き。
そんで、たまたま7時半頃にコンビニへ行った。
その帰り道、多くのサラリーマンが駅に向かって
歩いていた。
みんなよく似た格好で、無表情で駅に向かって
ぞろぞろと歩いている。
ボク一人、逆に進む。
なんか気持ち悪かった。
そんなボクも来年は社会人。
んー。
んー。
せめて、無表情はやめようっと。

反省と成長

2000年11月5日
1年前。
相手のことがスキなのに、別れを切り出して、
落ち込んでいる女の子を不思議に思いました。

半年前。
相手のことがスキなのに、別れを切り出して、
彼女らしさを失った女の子に「バカっ」
だと言っちゃいました。

現在。
1年たって二人の気持ちが理解できた
自分がここにいます。
ある意味、成長したということなのでしょうか。

もし、二人にもう一度、会えることができたら
素直に謝りたいと思っています。

冬将軍、到来

2000年11月3日
寒いから冬なん?
冬だから寒いの?
いやいや暦が決めるんよ。

何にせよ、冬将軍が目覚めてしまった。
by ローソン

好きだからつきあってんの?
つきあってるから好きなの?

なぁー、ichiroくん?


一部 完

2000年10月15日
ひとつの恋が終わったので、
この日記も一部完と言うことで。。。

3ヶ月は喪に服すので、
日記の更新はぼちぼちぐらいになります。

それでは。

代償

2000年10月9日
人の気持ちって分からないのね。
だから人間関係がうまくいってるって
誰かが言ってたっけ。

ボクはホントに自分勝手だから、
ホントの気持ちを知りたかったから、
あなたを傷つけてしまった。
本当にごめんなさい。

ホントの気持ちを知ることの
代償は大きかった。。。
○居酒屋
直也N「あの頃飲んだビールより旨いビールは、
 もう味わえないのかも知れない。背伸びした味
 だ。まるで精一杯の味だ。人には一生のうちに飲
 むべき酒の量があるけれど僕は一生分のビールを
 そこで飲んだと思っている。一生分の初恋がそこ
 にしかないように、クリスマスの寂しさとビール
 のげっぷは、高校三年の僕が味わい尽くし、味わ
 い続け、思い出はそれを離そうとしない。いつか
 またビールを心から味わう時期が来るかも知れな
 いけれど、それが寂しいものでありませんよう
 に。アーメン」
  課長、ぼぉーとビールの入ったコップを眺める
  直也に
「課長あれ?グラスがあいてるなぁ」
  と無愛想に言う。
直也N「彼は、人に酒を飲ませることを天職として
 いる人間だったらしい。ダムに水を貯める人間も
 いれば、ビールを部下に流し込む人間もいる。僕
 は2杯目を飲み干し、課長がお決まりの文句を言
 いながら注ぎ、続けて3杯目を飲み干した」
  直也、ビールを飲み干す。
  直也、全員を見わたす。
  全員、にこにことビールを飲み隣の人間と大き
  な声で話している。
  直也、すました顔で
直也「ここにあるビールがすべてコーラだったら、
 みんなは『よっぽどコーラが好きなのか?』って
 聞くと思うんです」
  全員、直也が話し出すと、話を止め不思議そう
  に直也をみる。
直也「僕から見ると、みんながビールをそんなに飲
 むのはとても不思議ですよ。みなさんは、そんな
 にビールの味が好きなんですか?」
  課長、豆鉄砲でもくらったような顔をしていた
  が、
課長「まぁいいから飲め。ピッチャーを持つ手が重
 いぞ」
   直也、コップを手でふさぎ
直也「十分飲んだので、何か食べますよ」
課長「まぁ、いいから飲め」
直也N「よっぽどこの人はビールが好きなのかな
 ぁ。もしくは、自分の寂しさに気付いていないの
 かな」
  課長、直也がコップをふさいでいるので
課長「オレの酒が飲めねぇのか」
直也N「考えてみれば...」
  直也、箸を置く。
直也N「こんなに不愉快な食事をするのはいつぶり
 だろう」
  課長、直也のジョッキにビールを注ぎ、
課長「オレの注ぐビールはうまいだろ?」
直也「うまくないです」
直也「社交辞令をしたのは、1年ぶりですよ」
課長、怒って
課長「なんだと」
  直也の正面に座っていた部長が
部長「まぁまぁ、酒の席じゃないか」
  と、課長を諌める。
部長「前の社交辞令は何だった」
  と直也に訊いた。
直也「電話をかける気のない二人が、電話番号を
 教え合いました」
  直也、泡だらけのジョッキに手を伸ばした。
課長「女だったんだろう」
  直也、何も言わずにビールを飲む。
直也「あなたにも、メリークリスマス」
  直也、帰り支度をして席を立つ。
  若い社員が直也の名前を呼ぶが、直也、
  店を出ていく。
                 終わり
○居酒屋
  忘年会シーズンなので盛況な居酒屋。
  日めくりのカレンダーは24日、金曜日。
  5人のサラリーマンが座敷に座ろうとして
  いる。
  2人が若者で3人は年配。
直也N「今年最後の金曜日だからって、なんでこん
 な日に忘年会なんだろう」
課長「なんか言ったか?」
直也「いえ、別に」
課長「となりに座れよ」
直也「はい」
  直也、課長、座る。
直也N「ボクという人間は、動物園のサルか
 何かのように、暇な人間につつかれやすい」
×     ×     ×     ×
ALL「乾杯!」
  直也、ビールをのむ。
  直也、カレンダーを見る。
  24、金曜日
○部屋(セピア)
  カレンダー、24日
  高校生の平均的な部屋。
  六畳一間、勉強机とベット。
  そして、テーブルが一つ。
  テーブルの上にはピザやファーストフードのデ
  リバリーが置かれている。
  直也、そして同級生2人の三人が話をしてい
  る。
  直也、にやにやしながら缶ビールを出す。
同級生A「おっ、ビールじゃん」
直也「親父の取って来ちゃった」
同級生B「いいのか」
直也「大丈夫だって。わかんなしないよ」
同級生A「そうだな。ビールぐらい。クリマスだ
 し」
ALL「乾杯」
  直也、吐き出す。
直也「にがっ」
同級生A「直也、はじめてか?」
直也「(苦笑いしながら)まさか」


空に向かって

2000年10月4日
親愛なるA.Sさんへ。

すっかり涼しくなりましたね。
原チャを使っているあなたは多分ボクよりも
はやく、秋をかんじ、冬を感じると思います。
高校生の弟は衣替えだって言ってました。
ほんの4年も前のことなんだけど、少し
懐かしさを感じました。
この季節。自転車はとても気持ちがいいです。
なんか、自転車に乗ってるときの風が好きで、
このまま、津自転車通学から自転車通勤にしよう
かな、と思うくらいです。

卒業までに何かしようとこの前言って、
何もしていない自分がいる。
卒業制作さえも手につけていない。
ただ、今はあと短い執行猶予をだらだらと
生きてるだけみたいです。

ホントはあと1回だけホントに1回だけ、
あなたにメールを送ろうと思っています。
近況報告だけ。
情のないお手紙を。

病は気から?

2000年10月3日
筋肉痛。
筋肉痛ってなんで痛いの?
いや、筋肉が炎症を起こして−−−
っていうのは知ってるんだけど、
怪我とか、かぜじゃないと言うことは
病気なんかな?と思う。
ちょっとした、いたずら心というか
そんなかんじで、痛い体をいじめてみた。
近くの自動販売機まで、全力でダッシュしてみた。
筋肉痛なんて幻なんよ。
病は気からって言うし。
おーいに無理するのだ。
筋肉痛なんてウソっこよ。
でも、いてー。

弱音

2000年10月2日
筋肉痛。
そいで、
頭痛。
ちょっと、死にそう。

会いたい

2000年9月29日
親愛なるあなたへ

あなたに最後のメールを書いて一週間が経ちま
した。
かっこわるいけど、後悔しています。

以前なら、街を歩いていても、雑誌やテレビを
観ていても、おもしろいものや素敵なモノを
みつけると、あなたに教えてあげよう、だしか、
あなたといきたいな、なんてことを考えてた。
だから、
あなたのいない世界は、灰色の世界です。


あなたにあいたい。
直也N「その後、二人は一緒に晩ご飯を食べること
    になった」
   直也、あわてて片づける。
   葵、直也が無理に押し込んでなかなか開かな
   いリュックを開け、ハーモニカなどを丁寧に
   片づける。
   直也、何度かお互いの指が触れてどきっとな
   る。
   白くて細い指。
   直也、葵の顔をちらっと見る。
   葵は別になんとも思っていない顔。
直也「名前はなんていうのかな」
葵「あおい」
直也「あおい...ちゃん」
葵「そう。あなたは?」
直也、ライヴのチラシを指さして
直也「ヒコ(heako)」
   葵、直也の目をのぞき込む。
直也「本名が知りたい?」
葵「うん」
直也「ナオヤ」
葵「ナオヤ...」
直也「ナオヤよりヒコの方が好きなんだ」
   葵、眉を少しあげて、軽く笑った。

○通り
   直也と葵、歩いている。
直也N「ボクの指先はずっと震えていて、声はとき
    どきうわずった。歌いすぎでノドが 枯れ
    たせいだ。僕は緊張を隠そうとして、何度
    も咳払いをした」

○ハンバーガーショップ
   直也、トイレから戻る。
   葵、携帯電話をいじっている。
直也「同じ携帯だね」
葵「ホントだ。色違い。」
直也「ボクもそっちの色にしたかったんだけど、み
   つかんなかって...」
葵「いいでしょう。でも、そっちもかわいい。」
直也N「ボクはそれとなく彼女に自分の番号を教え
    た。葵は同じメーカーの携帯電話だからメ
    ールができるね、と微笑んだ」
葵「私の番号はね...」
   葵、携帯電話をこちらに向けた。
直也「いや、いいよ。君がかけてくれたら、そのと
   き分かるから」
   葵、僕が電話をする気がないのかと確かめる
   ような目をする。
直也「葵ちゃんの番号を知ったら、きっとボクから
   かけてしまうから」
直也N「そう言ったのは電話をかけるのを我慢し
    て、待ち続けて終わったかつての恋が、寝
    違えたような形のまま、まだ、ボクの心に
    居座っているのかもしれない」
×     ×     ×     ×
   直也、ジュースを飲みほす。
葵「今日は楽しかった」
直也「よかった」
   直也、葵、帰り支度をする。
直也N「僕はあれやこれやとよく喋った。僕は相手
    にどう見られているかではなくて、どう見
    せるかばかりに気を取られていた。」

○ハンバーガーショップ・前
   直也、店から出て冷たい風をあびる。
   二人はコートを着直す。
   リュックに腕を通そうとする直也の肩紐を葵
   は直す。
   再び、冷たい突風が二人の間を吹き抜る。
   二人、並んで歩き出す。
直也「手を繋いでいいかな」
   葵、直也の指に2本の指を絡めて握った。
葵「なんかどきどきしてる」
直也「ボクも」
   葵、ほほえむ。
葵「腕、組んでいいかしら」
直也「もちろん」
   直也、腕を軽く出して葵は側に寄って歩く。
直也N「出逢って1時間。腕を組んでいる僕らって
    何者だろう。まるで予想もしないことが当
    たり前に起きる」
葵「歌っているときは、どこを見ているの?」
直也「えっ?」
葵「きいてる?」
直也「ごめん。うーんと。いろいろかな。歌の情景
   だったり、すれ違う人の顔、聴いてくれる人
   の目だったり。でもね、目を合わせるとたい
   ていの人は気まずそうに帰っちゃう。日本人
   だなぁって思うんだ」
葵「そうかも」
   と言って、小さく首を振って笑う。
葵「私の目は見た?」
直也「うん。見たよ」
葵「私は、目をそらさなかったでしょう?」
   葵、直也の目を見上げる。
   直也もその目を見る。
   葵の瞳に、雪のようなものがうつる。
   直也は下を向き、もう一度、葵の目を見て、
   照れくさい苦笑いする。
直也「僕が目をそらしたんだ」
   葵も悪戯っぽく笑い、腕をぎゅっと引き寄せ
   る。
直也N「街のイルミネーションを二人で眺めた10
    分間の散歩。メリークリスマス。」
                    つづく
   無機質なふたり


○駅(遠景・夜・冬)
   駅ビル。
   多くの人が行き交う大きな駅。
○駅ビル・中
   駅と駅との通路。4.5組の少年たちの
   グループが歌を歌ったり、ダンスを踊ったり
   している。
   街の人々は、寒がりながら早足で通り
   過ぎる。
   何人かの若者やカップルは流行のバンドの
   コピーをしている少年の前で、足を止め聞き
   入っている。
   少し暗がりの通路のタイルの上で直也が座っ
   てギターを弾いて歌っている。
   しかし、直也の前には人だかりはなく、ちら
   っとも見ずに人々は通り過ぎる。
   直也、ちらっとその人だかりをみる。
   直也の耳から音が消える。

○駅ビル・中(回想)
   直也、少し暗がりの通路のタイルの上で座っ
   てギターを弾いて歌っている。
   前には高校生の女の子、2人が座っている。
   直也、1曲歌い終わる。
高校生「ゆずとか19とかやればいいのに。 
    そうしたら人も集まるよ」
直也「(さみしく)そうだね。」
   直也、次の曲の用意をする。
直也「(女の子に)ありがとう」
   直也、再び歌い出す。
   女の子2人、立ち上がって帰る。

○駅ビル・中
   直也、歌っている。
直也N「別にゆずになりたくてここにいるんじゃな
    いんだ。気持ちよく歌って、その上、お金
    なんか稼ごうなんて思っていない。みんな
    にもてようなんて思っていない。ただ、食
    事をするように、好きな歌を歌っているだ
    けなんだ」
   直也、歌い終わり、ちらっと前を見る。
   少し離れた花壇の渕に、襟と袖はウールにな
   っている白いコートを着た女の子・葵が座っ
   ている。
   葵はこっちを見ているようでもあるし、ぼぉ
   ーとしている。
   直也、葵を見て目をそらし、また葵を見る。
   直也、歌い出す。
  ×     ×     ×     ×
   コピー少年たちが帰る。
   明るい場所が空く。
   直也、そちらに移る。
   葵は前と同じようにこっちを見ているようで
   もあるし、ぼぉーとしている。
直也N「誰かを待っているのかな?」
   直也、真っ黒な空を見上げて歌う。
   直也、葵を見る。
   葵も直也を見る。
   直也、照れくさそうに鼻で笑って、2番を歌
   う。
   ギターケースにつり下げていたライブのチラ
   シがすれ違う人の通り風に、ひらりと舞い上
   がり反対側にめくれる。
   葵、両手を花壇のブロックにつけて立ち上が
   り、ゆっくりと直也の正面に向かって来る。
   葵、直也の目を見て歩いてきて、そっとしゃ
   がんでチラシを直し見上げた目で少し笑う。
   少し肩をすぼめて、
直也「ありがとう」
葵「となりに行っていいですか?」
   葵、恥ずかしそうに直也の目を覗き込む。
直也「もちろん」
   間奏が終わり、コーダ。サビ。
   そして曲が終わった。
葵「いつも駅で歌ってるんですか」
直也N「その笑顔はまるで冬のようだった。 
    ボクの表現はいつも抽象的で、一般的で、
    的外れだ」
直也「いつも練習しようと思っていて、ついさぼる
   んです。もうそろそろ帰ろうかと思っていま
   した」
   葵、笑顔のまま。
  ×     ×     ×     ×

懺悔

2000年9月26日
実はボクってとても優しいんです。
ホントです。とても親切です。
というのも、すごい合理主義なんです。
たとえば、ふつうのひとなら
相手が+2で自分が−1の場合、
損をしたな。。。と考える。

でも、ボクは
相手が+2で自分が−1の場合、
トータルで+1ならいいやって考える。

その相手が好きな人なら当然だが、
べつに銅でもいい人まで。
嫌いな人以外ならいいと思ってた。

でも、最近、女の子に対しては、すこし優しさを
押さえるときがある。
だって、好きな人とそうじゃない人に
同じサービスを提供するって好きな人に
失礼かな?って考えるようになったから。
それってダメなんかな。
心のなかではこうしてあげた方がいいのになって
おもってんだけどな。

そんなことを考えている自分に懺悔。

忘れっぽい

2000年9月25日
ボクって忘れっぽい。
とってもひどい事されても、そんときは
腹立ってるけど、すぐ忘れちゃう。
だから、嫌いな人に対しては、その怒りを
できるだけ風化させないようにしている。
本気で人のことを無視できる人ってすごいなって
思ってるんよ。
そして、それよりも2倍の努力をして
いい思い出をずっと憶えているようにしています。

初めてメールを1日寝かせてみた。
少し感情的なメールだったから。
冷静な目で読み返したかったから。
そして、
ボクの文章は稚拙だから、相手に間違った
表現を与えてることがあるから、
1日寝かせることにした。

1日寝かせるとその文章は
「もっと寝ていたい。もうずっと寝ていたい」
なんていうから、メールを送信する勇気が
なかなかなかった。

だからあのメールはボクの意志で送信した。
そして、あのメールは彼女の元へ。
あのメールの生命も彼女次第。。。

say good-bye

2000年9月23日
今日、ひとつの別れがあった。
単なるボクのわがまま。

周りの友人の行動力のなさには慣れたけど、
別れのつらさってのは慣れないもんだね。

秋の涼しさがあなたとの距離を
ボクに感じさせました。
夏がもう少し続けば、あなたと。。。

未練たらたら。

まだ、あなたからメールが届くかも、
なんて思ってる。

秋の気配がボクの背中を押してしまいました。
ごめんね。



男「悪い、遅れちゃって」
  真理が何か話そうとすると二人の後ろか
  ら「おそいっ」と声がする。
  シン、振り向く。
  後ろのベンチに座っていた女性が男の方
  向に体を向けている。
女「遅いっ。あんたいつも遅れるんだから」
  男、女のよこに座る。
  真理、正面を向いている。
男「悪い、ここ、久しぶりに来たから」
女「ここで待ち合わせたことあるんだ」
男「えっ...まぁな」
女「つきあってたひと?話してよ」
男「昔のことさ」
女「...」
男「分かったよ」
男「昔さぁ、5.6年前になるかな。いつも
  ここで待ち合わせている彼女がいて。お
  れさぁ、そのころバイトやってていつも
  おくれてたんだ」
女「今でもよくおくれる」
男「でも、そのコは全然怒らずにいつもニコ
  ニコ笑っててさ」
女「いまでも好きなの?」
男「まさか。で、俺さぁ。バイトの友達と賭
  けをしてさ、6時間おくれても彼女が待
  っているか賭けをしたんだ」
女「...」
男「当然、おれは待ってるほうに賭けた。で
  も彼女、その日に限っていなかった」
女「それが原因で別れたの」
男「いや、彼女とはそれ以来会わなくなって
  。向こうから電話もかかってこなくなっ
  たし。俺も何か電話しにくかったから」
女「最低。私にはそんな賭けしないよね」
男「しないよ。さぁいこうか」
  男と女、歩いていく。
  真理、ずっと正面を向いている。
シン「おい、何か言ってやれよ。どうせ聞こ
   えないけど」
  真理、立ち上がって歩いていく男に向か
  って 
真理「いままでありがとう」
  と、叫ぶ。
シン「ばかやろうとか言えよ」
真理、少し笑う。
    ×   ×   ×
  夜もすこしふけてきた。
  さすがに人通りが少なくなってきた。
  真理立ち上がる。
真理「もうここにいる必要もないね」
シン「...」
真理「あの世に行ったらあなたと観覧車で見
   たようなきれいな景色が見えるかな」
  真理、シンの前に立つ。
真理「成仏させてよ」
  シンも立ち上がる。
シン「いいの」
真理「うん...私、地獄に行くのかな?」
シン「あの世には天国も地獄もないよ」
真理「そう。今日、一日楽しかった」
  真理、ほほえむ。
シン「あの世では悪い男につかまんなよ」
真理「うん...死神さん。名前は」
シン「死神に名前はないよ」
真理「(笑顔で)さようなら、シン」
真理の頬に涙が流れる。
シン「さよなら」

 ○ ポスト
カン「だから、名前シンっていうんだ」
シン「?」
カン「死神って名前ないこと知ってた」
シン「知っててさっき聞いたの?」
カン「うん」
シン「ひねくれてるね」
カン「だから幽霊なんかになっちゃったのか
   な」
シン「...」
カン「...」
シン「幽霊が嫌いになった?」
カン「えっ、うん。そうだね、飽きた」
シン「そう」
カン「素敵なお話し、ありがとう」
シン「ああ。それじゃ帰ろうかな」
カン「私を成仏させていかないの」
シン「...それは僕の仕事じゃないよ」
カン「えっ」
シン「僕の仕事は自分で成仏できない悪い霊を
   成仏することだ。キミは悪い霊じゃなか
   ったはずだ。成仏するきっかけを探して
   いただけだろう。もうキミは自分で成仏
   できる」
カン「うん。そうする」
シン「それじゃ、さよなら」
カン「うん、ばいばい」
シン、ポストから降りる。
シン、暗がりに歩いていく
カン「シン、ありがとう」
と、叫ぶ。
  シン、手を挙げる。
【おわり】
  ○ 映画館の前
  映画が終わって、入れ替えのため多くの
  人が列を作って待っている。
  シン、列を無視してはいってく。
  真理、「いいの?」っていう顔。
  シン、「いいの」っていう顔をして真理
  の手を引っ張ってはいっていく。

  ○ 遊園地
  クリスマスだけあって人があふれてい
  る。

  ○ 観覧車の中
  シンと真理が向き合って座っている
シン「みてみな。」
真理「うわっ、きれい」
  シン、真理の顔を見る
シン「はじめて笑ったね」
真理「えっ」
シン「ずっと笑わなかったでしょ」
真理「...」
シン「キミはあのベンチで座ってた時はずっ
   と 悲しそうな顔をしてた」
真理「...うん」
シン「ねっ。あのベンチに座ったらこんなき
   れいな景色を見ることもできなかった
   し、笑顔になることもなかった」
真理「うん、わかってる...。わかってる
   けど」
  真理、泣きそうな顔になる。     
シン「あーっ。わかった、わかった。せっか
   くのクリスマスなんだから泣くなよ」

 ○ ポストの前
 カン「で、それから?」
 シン「映画館、遊園地の次はピアノのコン
    サートが見たいっていうからそこに
    行って、サッカー観に行ってそれか
    ら...」
 カン「めちゃくちゃ遊んだね」
 シン「幽霊だから移動時間がかからないん
    だけど」
カン「なるほどね(笑)」
 シン「それで、またあのベンチの戻った」

 ○ベンチの前
  走ってきた様子でシンも真理も息を切ら
  している
真理がベンチに座る
シン「久しぶりに走った。いつも浮いている
   から。」
真理「疲れた。幽霊でも疲れるんだ。一生分
   遊んだ感じ」
  シン、近くの時計を見る。
シン「間に合ったね、約束の時間に」
真理「うん」
  シン、真理の横に座る。
シン「ボクもちょっとの間待ってるよ」
  夜になった通りには多くの人があふれ多
  くのカップルがまえを通り過ぎていく。
    ×   ×   ×
  時計が約束の時間の30分後をさす。
  二人、正面を見ながら
シン「おそいね」
真理「彼はよく遅れてくるから」
シン「そうでした」
  前から、男が歩いてくる。
  真理の顔が明るくなる。
  シン「彼か?」という顔で真理を見る。
  男、ベンチの前で立ち止まる。

  シン、同じ格好でベンチに近づく。
  真理の横にすっと座る。
  真理、待っていた人が来たと思い驚いて
  シンの方を見る。
  シン、なにやらつぶやいて長方形のお札
  のようなものをはる。
  
 ○ ポストの上
シン「で、幽霊を見つけたオレはいきなりお
   札をはった」
  カン、シンをおもいっきり押す。
  シン、ポストから落ちる
シン「なにすんだよ」
カン「あんたこそ何やってんのよ。常識で考
   えてみて、いきなり強制成仏するひと
   がいる?」
シン「(冷静に)よく知ってるね」
カン「私もよくやられるから。でもあれって
   悪霊とかに使う最終手段でしょ。なん
   でいきなりやってんの」
シン「いや初めてだったもんで」
カン「(ちょっと怒りながら)で、それから
   ?」
シン「それから...」

 ○ ベンチの前
   効果がない。
   シン、硬直する。
シンM「まったく効果がなかった」
カンM「やっばり」
シンM「うるさい」
シン、正面を向き直して座る。
シン「キミは自縛霊だね」
真理「まってるの、彼を。クリスマスの夜に
   会う約束してたから」
シン「なるほど。それが原因か」
真理「私が見えるとしたらあなたも死んでい
   るのね」
シン「いや、オレは違う。あの世案内人だ」
真理「死神ね」
シン「多くの人はそういうけど」
真理「死神さんが何の用?」
シン「ボクはキミを成仏させるのが仕事だ」
真理「でも私は彼を待ってるの」
    ×   ×   × 
  どこかで15時を示す鐘がなる。
シン「でもなかなかこないね」
真理「彼はいつもおくれてきてたわ。それで、
   彼はおくれてきたときに小走りで走っ
   てくるの。でも私はそんな謝っている
   彼の顔が好きだったの」
シン「オレだったらぶっとばしているのに」
真理「...でもいいの。私待ってるから」
  シン、黙り込む。
  真理も黙る。
  二人の前を多くのカップルが通ってい
  く。
    ×   ×   × 
シン「どこかあそびにいこうか」
真理「えっ」
シン「いいから、遊んで嫌なこと忘れようよ」
  シン、真理の手を持って走りだす。
  真理、シンに引っ張られる形で走っていく。
カンM「自縛霊を動かしちゃうなんて、あん
    ためちゃくちゃね。」
シンM「あとですごく怒られたよ」

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