シン、同じ格好でベンチに近づく。
  真理の横にすっと座る。
  真理、待っていた人が来たと思い驚いて
  シンの方を見る。
  シン、なにやらつぶやいて長方形のお札
  のようなものをはる。
  
 ○ ポストの上
シン「で、幽霊を見つけたオレはいきなりお
   札をはった」
  カン、シンをおもいっきり押す。
  シン、ポストから落ちる
シン「なにすんだよ」
カン「あんたこそ何やってんのよ。常識で考
   えてみて、いきなり強制成仏するひと
   がいる?」
シン「(冷静に)よく知ってるね」
カン「私もよくやられるから。でもあれって
   悪霊とかに使う最終手段でしょ。なん
   でいきなりやってんの」
シン「いや初めてだったもんで」
カン「(ちょっと怒りながら)で、それから
   ?」
シン「それから...」

 ○ ベンチの前
   効果がない。
   シン、硬直する。
シンM「まったく効果がなかった」
カンM「やっばり」
シンM「うるさい」
シン、正面を向き直して座る。
シン「キミは自縛霊だね」
真理「まってるの、彼を。クリスマスの夜に
   会う約束してたから」
シン「なるほど。それが原因か」
真理「私が見えるとしたらあなたも死んでい
   るのね」
シン「いや、オレは違う。あの世案内人だ」
真理「死神ね」
シン「多くの人はそういうけど」
真理「死神さんが何の用?」
シン「ボクはキミを成仏させるのが仕事だ」
真理「でも私は彼を待ってるの」
    ×   ×   × 
  どこかで15時を示す鐘がなる。
シン「でもなかなかこないね」
真理「彼はいつもおくれてきてたわ。それで、
   彼はおくれてきたときに小走りで走っ
   てくるの。でも私はそんな謝っている
   彼の顔が好きだったの」
シン「オレだったらぶっとばしているのに」
真理「...でもいいの。私待ってるから」
  シン、黙り込む。
  真理も黙る。
  二人の前を多くのカップルが通ってい
  く。
    ×   ×   × 
シン「どこかあそびにいこうか」
真理「えっ」
シン「いいから、遊んで嫌なこと忘れようよ」
  シン、真理の手を持って走りだす。
  真理、シンに引っ張られる形で走っていく。
カンM「自縛霊を動かしちゃうなんて、あん
    ためちゃくちゃね。」
シンM「あとですごく怒られたよ」

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