シン「呼び方なんてどうでもいい。キミを成
   仏させる」
カン「無駄よ。今まで何人もの死神が私を
   成仏させようとしてきたわ」
シン「(ちょっと弱気で)で?」
カン「まぁ、こういうわけね。無理なのよ
   私を成仏させるのは」
シン「キミは自縛霊だね。きっとこの土地に
   何か思い入れがあるんだ」
カン「そんなむつかしいことはわかんない」
  シンもポストに座る。
カン「どうしたの」
シン「あきらめる」
カン「はぁ?」
シン「だめだ。オレなんかにキミを成仏させ
   るのは無理だ」
カン「あきらめはやいね」
シン「オレ、新人だから」
カン「やっぱり、若くみえる」
シン「死神に年なんか無いよ」
カン「そうなの」
    ×   ×   ×
  人通りがなくなった。 
カン「名前は?」
シン「...」
カン「ないの、名前」
シン「...」
カン「私はカン。あなたは?」 
シン「...シン。...」
カン「シン、帰らないの」
シン「今日は帰っても暇だから」
カン「恋人いないの?」
シン「ませがき」
カン「(キャハハと笑って)いないんだ」
シン「うるさい」
    ×   ×   ×
カン「ねぇ、黙ってないで何か話してよ」 
  シン、タバコをふかしている。
カン「(それを見て)病気になっちゃうよ」
  うるさい、ていう顔をむけて、再び正面
  を向いて
シン「それじゃ、ませてるキミにはちょうど
   いい話をしてあげよう」
 
○ 繁華街(昼・クリスマス)
  多くのカップルが歩いている若者の街ク
  リスマスの音楽と白と赤のネオンが明る
  い。
  各ベンチにはカップルが座って仲良く話
  している。
  が、ひとつのベンチにはどのカップルも
  座っていない。
  よく見るとベンチの真ん中に女の子(真
  理)が座っている。
  年齢は高校生ぐらいだが、都会で見かけ
  るような感じではなく、おとなしい感じ。
  ダッフルコートがかわいらしい。
  町の雰囲気と異なり真理は少し暗い。
  だれかを待っている様子。
  でも、その顔は無表情で少し悲しそう。

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